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アメリカ トレッキングの旅 1、グレーシャー国立公園

グレイシャー国立公園(Glacier National Park)とイエローストーン国立公園(Yellowstone National Park)のトレッキング、ついに夢がかなった。かみさんと2人で16泊18日間(機中1泊)の旅だ。

2016年7月8日、

まずはシアトルで入国。空港であらかじめ予約していたHertzで車を借りる。シアトル在住の大学の後輩の助けもありうまい具合にアップグレードのサービスでベンツを借りた。一泊後輩宅にお世話になり、積もる昔話に花咲く一晩を過ごす

 

2016年7月9日、

さて、シアトルからグレーシャー国立公園を目指す。

インターステート90を東へ、グレーシャー国立公園のあるモンタナへ向けてひた走り。360度地平線ってこのこと。

まっすぐ伸びた道路と青い空、気持ちいいなーーーー。

と、油断していたらやってしまった。給油に立ち寄ったガスステーションで、車をバックさせたときに駐車してあった大きな車の牽引フックに車の左後ろを当ててしまって後部バンパーが剥がれかけてしまった。幸い、相手の車はほとんど損傷なく逆にこちら側の損傷を気にかけてくれて、メンディングテープで応急処置をしてはどうかとアドバイスをくれた。近くにカーショップがないか聞いたら、いろいろ調べてくれて近所の店を教えてくれた。いい人で良かった。人の親切はありがたいなぁ。特にこんな旅先ではね。で、テープで応急処置をして旅、再開。レンタカーはフルパッケージで保険をかけているので、何も心配は無し。少しだけ高くなっても車両損害補償(LIS, LDW)やドライバー、同乗者、追加運転者の保証(PAI, PEC)、給油不要制度(FPO)も含むフルパッケージがお勧めです。

途中、ところどころガスステーション、トイレとスーパーやコンビニのある小さな町があり、すべてグーグルマップで検索できるし、昔とは違い便利になったなーとつくづく思う。これもポケットWiFiをレンタルしてきたおかげ。必須です。

ワシントン州を東へインターステート90をひた走りこの日は州のはずれスポーカンという町のモーテルで一泊。モーテルのある町では必ず、ガスステーションとスーパーマーケット、そしてファーストフードやレストランがあるので食事の心配はしなくてよいので気楽。

 

7月10日

今日はいよいよアイダホを抜けてグレーシャー国立公園のあるモンタナ州までドライビング。アイダホでは昨日と同じフラットな草原とジャガイモ畑をひた走り、モンタナに入ると、ん、ん、ちょっとロッキーの麓的な、感じが、、、、、、。

夕方、公園の西の入り口の町、ホワイトフィッシュのモーテルに到着。

大きなキャンピングカーや、RV車が多い中、僕らのようなベンツのセダンは珍しい。でも僕たちオフロードを走ったり、野外キャンプをするわけではないのでね。

 

7月11日

朝、ついにグレーシャー国立公園の西の玄関ウェストグレーシャーからゲートをくぐる。

年間パスもあるけど、車一台$25で一週間出入り自由のパスを購入。

5泊6日でお世話になる Apgar Village Lodge にチェックイン。超絶美しいマクドナルドレイクの湖畔のロッジです。ここはその名の通りApgar村という公園の西の拠点。公園内のロッジ、ホテルはあっという間に満杯になるから1年半も前に予約しておいた。

ロッジは、マクドナルドレイクに流れ込むクリーク(小川)のほとり、ドアから歩いて数十メートルでマクドナルドレイクの東の湖畔にたどり着くことができる絶好のロケーション。でも公園内のロッジホテルにはWiFi も飛んでなければ、部屋に電話もない。自然と一体になって楽しめ、ってこと。

このApgar村には、お土産物屋さんとレストランが数軒と、山歩きのための天候やルートのコンディションの情報を教えてくれるビジターセンター、そしてキャンプ場の設備がある。

また、この公園を縦断する有名なドライブルート、ゴーイング・トゥー・ザ・サンロードを行ったり来たりするシャトルバスの出発点にもなっている。

買い物、食糧調達、コインランドリーは一旦車で公園のゲートから外に出て、周辺の町で済ませるしかない。

この日は、あいにくの曇りがちで、湖の向こうにそびえる山々が雲に隠れて見えないけどそれでも、この澄んだ空気と雄大な景観に感動。全てが絵になります。この日は、チェックインと村の散策、食糧などの買い物と明日以降のための下見を中心に過ごす。

園内の物価は高いしチョイスがあまり無いので、基本的に公園の外まで出てスーパーで買い物をして自炊。

 

7月12日 

AVALANCHE LAKE (AVALANCHE CREEK TRAIL)

天気は快晴とはいかないが、山の天気は変わりやすいので良くなることを願って今回最初のTRAILは, "AVALANCHE LAKE"に決定。

前日に、LOGAN PASS VISITOR CENTER で調達したベアスプレーを装備。まあ、早い話が催涙スプレー。50ドルとやや高いが命には替えられないと購入したけど、麓のスーパーで半額で売ってました、、、、、ちーん。

真夏とは言え、標高があるので、一応携帯のダウンジャケット、突然の雨に備えてレインウェアは装備。グリズリーは鼻が利くのでランチのサンドイッチは、ジップロックできっちり閉じてにおいが出ないように。香水はもってのほか、整髪料も無香料のものをこのたびに備えて用意した。

"AVALANCHE LAKE"へは、車で移動。TRAILの入り口の駐車場は、思っていたより空きがあって全く問題なし。

このTRAILは、AVALANCE LAKE を水源にしたCREEKを左に見て歩く、沢歩き。自然のままの原生の森を川の流れを聞きながら歩きます。この清流はけっこう流れが速い。TRAILは割と整備されているけどところどころ落雷に裂かれた巨木や、巨大な岩があり、雄大なロッキーの雰囲気満載。歩いている人も多少いるので、熊は大丈夫かな?と思いつつも油断はせずに歩いていきます。

 

3-4 km 歩くとやがて、景色が開け目的地のAVALANCHE LAKE だ。比較的平坦で、結果的にはもっと軽装でもよかったかもしれないけど、山は何があるかわからないのでね。

湖の向こうには山々が連なりそこから3本の滝が流れ落ちている壮大な景色。晴天だったら湖面への景色の映り込みはもっときれいなんだろうな、と思う。よし、絶対に天気の良い日にリベンジだ、と心に誓う、のであった。

隙あらばお弁当をリスが狙ってくるので、気を付けながらさっさと食べ、来た道を引き返す帰路につく。

 

午後からは、翌日の下見に、この公園の最高地点、ローガンパス(Logan Pass) のビジターセンターに立ち寄ってから、ゴーイング・トゥー・ザ・サンロードをひた走りセントメアリーレイク(St. Mary Lake)を抜け、メニーグレーシャー(Many Glacier)へ向かう。

峻険な岩山に雲がかかって荘厳な景観のローガンパス(Logan Pass) 幻想的で圧倒的な自然のパワーを感じさせる。車を止めてしばし、この景色が存在する空間に身を置いてみる。

ローガンパスあたり。峻険な岩山に雲がかかり荘厳な景観

 

ローガンパス(Logan Pass)から下ってくると、空は一転、青空に包まれやがて、目の前に真っ青なセントメアリーレイクが開けてくる。息をのむような静けさと静まり返った湖面、お弁当持ってここにずっといたーい。

 

まだ何度も来れると、言い聞かせながら先へ進む。レイクシャバーン(Lake Sherburne)沿いをメニ―グレーシャーを目指す。この辺りはローガンパスの裏手だ。舗装されていない道をがたがた揺れながらしばらく行くとやがて、メニ―グレーシャーホテルが見えてきた。ここが今回メインのトレイル、グリネル氷河(Grinnell Glacier)の起点だ。

スイスシャレ―風のアンティークなホテル。このホテルの前のスゥイフトカレント湖(Swiftcurrent Lake)から Boatに乗って湖を渡るルートと湖の周りを歩いていく二通りで、氷河を目指す。今回は、レンジャーが案内するboatのツァーが開催される前だったので、歩いて回ることに決めている。うーんだいじょうかなぁ、いろんな意味で。体力、熊対策、ちょっぴりナーバス。

 

ロッジに帰ってきたら、ロッジのマネージメントオフィスでコーヒーをピックアップ。

レイクマクドナルドに夕闇が迫ってきた。今日はゆっくり休んで明日に備えよう。

 

7月13日

この日はあいにくの天気、ローガンパスからHidden lake trail にチャレンジするつもりで朝早くローガンパスに向かうも頂上に近づくにつれ霧で視界ゼロ。車の運転も慎重に。なんせがけっぷちの片側1車線の両面通行。なんとか山頂のトレイルヘッド(トレイルの出発点)にたどりつく。気を取り直してTRAIL をスタートしてはみたものの景色どころか前は見えないしおもしろくもなんともないので、すぐ引き返すことに。そのままロッジまで戻り、近くの田舎町のコインランドリーやスーパーに行ったり、マクドナルド湖のあたりをぶらぶらして過ごす。これもまた楽し。

 

レイクマクドナルドの午後

 

7月14日

Grinnell Glacier Trail

今日は天気予報どおり快晴。予定通り、今回Glacier National Park でのメインディッシュ、Grinnell Glacier Trail (グリネル氷河)にチャレンジだ。夜明けとともに出発。朝焼けの Lake McDonald が美しい。

途中ローガンパスでトイレ休憩。駐車場から通じる斜面にマウンテンゴートが草を食んでいる。さすがロッキー!

 

トレイルの起点であるMany Glacier に到着。ボートを使う選択肢もあるけど、スイフトカレントレイクの湖畔沿いの森を抜けるルートで行く。 トレイルには我々二人だけ。両脇を木立に囲まれた細い小道を歩いていくと、ついに出た。10mほど手前、左の茂みから小熊のグリズリーが現れた。こちらをじっと見ている。心臓が高鳴る。親熊も近くにいるに違いない。かみさんが「どうするの?」って聞くから、「にげる」って答えたら、脱兎のごとく後ろも振り返らず元来た道をかけていく。逃げるったって、後じさりしながらってことだったのに~。こうなりゃ俺も振り返らず走るしかないって思って、大急ぎでトレイルヘッドまで駆け戻った。こんな簡単に出ちゃうの?

どうしようか思案していると、アメリカ人の親子3人連れがトレイルに入っていこうとするので、熊が出たよ、と教えてあげた。みんなでどうしよう、って言ってると、今度は白人のおじいさんが一人でやってきた。どうもこのあたりの事情通のようだ。

彼によるとどうも最近母熊と小熊のペアがこの辺りに出没しているとのこと。アメリカ人の親子ともどもこのおじいさんについていくことに。ベアスプレーを片手に、「ハロー、ベアーズ、ゴーインダウンザトレイル!」って叫びながら歩いていく。

見通しの悪いコーナーでは「ターニングオンザコーナー!」、角を曲がるよ!ってな感じで。

やがて左側に湖が開けてくる、その向こうにはMt. Grineell (たぶんそうだと思う)の頂が見える。素晴らしい眺めだ。

 

湖のエンドまで来るとそこからは上りが始まる。おじいさんは写真家らしくここらで撮影するとのことでここでさようなら。ちょっぴり不安。と、そこへうしろからレンジャーが追いついてくる。これ幸いと、「ついて言ってよいか?」と聞くと苦笑いを浮かべながら、「いいけど、ついてこれるならね」って。その言葉どおりピッチが速すぎてあっという間に離されて、例のアメリカ人親子と5人だけとなった。 シカゴから来たんだって。娘は二十歳くらいか。しょうがないから俺が先頭を歩く。声を出しながら、片手はベアスプレーに手をかけてっていうのも楽じゃない。

湖が眼下に広がる。だいぶ登ってきたなぁ。

 

見たこともないような絶景を眺めながらのトレッキング、心が癒される。ところどころにある小さな滝を石伝いに飛び越えたり、ある滝ではその下をずぶぬれになりながらくぐったり、と自然を満喫。やがて Grinnel Lake が眼下に見えてくる。最終目的地の氷河湖、Upper Grinnell Lake までの行程の 2/3 位まで来たか。と、ここで、レンジャーから途中に雪渓が道をふさいでおり、そこを渡るのは危険だと情報を得る。軽アイゼンなどの装備はあるものの一歩滑れば奈落の底。今レンジャーたちが雪かきして明日には開通しそうとのことだけど、え~、明日もう一度ここまで戻ってくるの? しかも予報じゃ天気もあまり良くはなさそうだし。

とにかく行けるとこまで行ってみることにする

 

あともう少しのところで、行く道をふさぐ雪渓。やむなくここで引き返すことにして、THE END. でも素晴らしい風景に出会えたことに感謝です。天気もすばらしかったしね。

 

7月15日天気が良いのでAvalanche Creek Trail を再チャレンジ。       

でも午前中は正面に見える3本の滝が逆光になりあまり良く見えない。そこまでは計算にはいっておらず、残念。でも雪解け水が勢い良く流れるAvalanche Creekの川音を聞きながら歩くのは気持ちがいい。水しぶきが上がりところどこで虹を作っている。体いっぱいマイナスイオンを浴びる。最高の気分。

 

 

午後にはマクドナルド湖のほとりのロッジに戻りゆったりとした時間を過ごす。ロッジの裏は湖に流れ込む小川だ。ときおり、ビーバーが水面に顔をだしてすーっと泳いでいくのが見える。河原を少し歩くとそこはもうマクドナルド湖だ。正面の山々が湖面に映るパノラマビュー。小鳥のさえずりが聞こえる。ほとんど波は無い。冷たく透き通った湖水。飽きることなく散策するうち時が過ぎていく。

 

7月16日 Glacier National Park 最終日

やはりゲートの写真は撮っておかなくちゃ、ね。

 

今日はぐずついた天気。

山の天気は変わりやすく雲や霧が流れ景色が刻々と変化していく。

ローガンパス付近の景色

 
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セントメアリー湖から雲に隠れたロッキーの山並みを眺める。

 
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時間はまだたっぷりあるので、カナダ国境に近いBowman Lake へ行ってみることに。

ところが、思った以上の悪路。しかも土砂降りの雨にも見舞われ、車はドロドロ。

しかし、その神秘的な湖に着いたころ雨は上がり、幻想的な姿を僕らに見せてくれた。

 
 

かくして 6日間にわたるグレーシャー国立公園の滞在を終えて、今晩はここに来た時と同じ公園外の近隣の町、ホワイトフィッシュのモーテルで1泊。明日のイエローストーンへのドライブに備えて体を休める。

自然を満喫した6日間でした。不便さもあったけど、それもまた楽し。外国からのビジターはまだまだ少ない穴場だと思った。

いつまでもこのままであってほしいな、と自分勝手に思うのであった。

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